ぬか床のかき混ぜ方は素手で天地返し

ぬか床のかき混ぜ方は、素手で、天地返しです。

ぬか床を混ぜなければ、美味しいぬか漬けを作ることはできませんが、

ぬか床を混ぜても、ぬか漬けが美味しくなる訳ではありません。

ぬか床を混ぜるのは、ぬか床に空気をふくませて、

ぬか床の発酵がこれ以上過剰に進まないようにするためです。

ぬか床の混ぜ方は天地返しといって、表面と底の部分を入れ替えるようにします。

ぬか床の表面には、好気性の菌が、底の方には嫌気性の菌が住み着き、

中間部分に乳酸菌が住み着きます。

ぬか床を放っておくと、表面と底の菌が増えすぎ、過剰発酵してしまうので、

天地返しでぬか床の底と表面を入れ替えて、二つの菌の増えすぎを防ぎます。

中間部分の乳酸菌はぬか漬け作りに必要な菌なので、

中間部分を崩す必要はありません。

ぬか床を混ぜるときは、中間部分のぬか床をあまり崩さないようにすることが大切で、

そういうわけで天地返しというやり方になっています。

特に、2~3kgの小さなぬか漬け容器、ビニール袋を使っている場合は、

全体の容積に対して、乳酸菌が存在できる部分が小さいので、ぬか床を混ぜる時に、

ぬか床の中間部分に空気をふくませすぎないようにする、

ぬか床を粉々にしないことが大事です。

2~3kgの小さなぬか漬け容器とは、以下の画像中央の容器(3.2L)のようなサイズの容器です。

野田琺瑯のぬか漬け美人と、レクタングル深型Lと3升のつぼ

(真ん中の3.2Lの容器には2kg程度のぬか床が入る)

(右の3升ツボ5.4Lには4kg程度のぬか床が入る)

反対に、過剰発酵してしまった場合は、使っている容器にかかわらず、

ぬか床を粉々にして、空気を送り込むことが、望ましいということになります。

状況に応じて、混ぜ方を選ぶ必要があります。

かき混ぜる頻度は、1日1回程度と言われています。

1日2回混ぜなければいけないことも、少なくありません。

以下のような場合で酸っぱい匂いがしなければ、

発酵を促すために、かき混ぜをせずに過ごすことも可能です。

  • 野菜を漬け続けた後にぬか床を休める場合
  • 足しぬかした後に発酵を促す場合

過剰発酵していないのに、毎日1日2回、ぬか床を粉々にかき混ぜることはしてはいけません。

私は、過去に1日2回ぬか床を粉々に混ぜ続けて、ぬか床をダメにしました。

混ぜすぎの場合は、ぬか床の色が灰色っぽくなります。

ぬか床の匂いも変化しないし、あまり味がしないし、美味しくないです。

このような状況であれば、まずはぬか床を休ませた方がいいでしょう。

ぬか床のかき混ぜ方は天地返し、1日1回程度

ぬか床のかき混ぜ方は天地返しです。

天地返しとは

ぬか床の表面と底を入れ替えるように混ぜます。

真ん中の部分は崩さないように混ぜます。

「正しい混ぜ方は、天と地をひっくり返し、真ん中は混ぜないこと。

そして、混ぜ終わったら表面をたたいて空気を抜き、ぬか床を平らにし、空気に触れる面を少なくして酸化を防いでください。」

「ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード」p.52 下田敏子

上記は「ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード」からの引用です。

ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード [ 下田敏子 ]
created by Rinker

著者の下田さんは、ぬか漬け店「千束」を経営されており、

NHKのためしてガッテンのぬか漬け特集の回も監修されています。

とりあえず、上記の本は買っておきましょう。

ぬか床の混ぜすぎ注意の理由

ぬか床をかき混ぜすぎていませんか?

かき混ぜ方だけでなく、かき混ぜる頻度も問題です。

必要ないのに、毎日2回ぬか床を粉々にかき混ぜては、ぬか床がダメになります。(過去の私)

以下、下田さんの言葉の引用です。

「ぬか床は生き物なので、日々混ぜて空気を入れ込むことは必要ですが、少量のぬか床は野菜を出し入れするだけで十分です。」とのこと。

ぬか床内の乳酸菌が増えすぎると酸味が強くなりすぎてしまいます。

ぬか床を混ぜるのは空気を入れ「菌を増えすぎないようにするため(異常発酵を抑える)」なので決して混ぜすぎないことが大切だそうです。

九州のすぐれものを応援するビスネット わいわい塾 開催レポート 2012年11月 ぬか床 千束

また、別のインタビューからの、下田さんのコメントの引用です。

「“ぬか床”は、毎日かき混ぜないといけないので面倒だと思っていらっしゃる方が多いのですが、

植物性乳酸菌は空気に弱いので、2〜3キロの小さな樽だと、実はかき混ぜない方が良いんです。

かき混ぜるという行為は、増えすぎた乳酸菌を減らす為にすることなんですよね」

匠の蔵~words of meister~の放送 千束【ぬか床 福岡】 匠:下田敏子さん

「...2~3キロの小さな樽だと実はかき混ぜないほうが良いんです。」ということですが、

2~3キロの容器は、下記の画像真ん中、野田琺瑯の「ぬか漬け美人(3.2L)」と同程度の大きさのもの。

(3.2Lの容器には~2kg程度のぬか床が入る)

野田琺瑯のぬか漬け美人と、レクタングル深型Lと3升のつぼ
野田琺瑯のぬか漬け美人と、レクタングル深型Lと3升のつぼ

私が、ぬか床を1日2回かき混ぜてダメにしていた時は、

「2~3kgの容器」であるこの写真の「ぬか漬け美人」を使っていました。

(ぬか漬け美人がダメだということではありません。)

ぬか床のかき混ぜ方の回数はどう決めればよい?

じゃあどうやってぬか床をかき混ぜる回数を決めればいいのか、です。

ここでも「ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード」からの引用です。

ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード [ 下田敏子 ]
created by Rinker

「ぬか床は基本的に、1日1回程度かき混ぜましょう。

清潔な手で、ぬか床の中に空気を混ぜこむようにかき混ぜるのがポイントです。」

「ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード」p.36 下田敏子

一般的に1日1回程度と言われています。

基本的には、1日1回天地をひっくり返せば大丈夫です。

味や、匂いが悪くなってきたら、2回混ぜて様子をみます。

ぬか床をかき混ぜる理由

ぬか床をかき混ぜないといけない理由ですが、

ぬか床をかき混ぜないと、ぬか床のバランスが崩れるからです。

ぬか床の中の菌の分布によって、ぬか床は3層に分かれます。

表面、中間、底の三つです。

表面には、好気性の酵母菌が、底には、嫌気性の酪酸菌が、

中間部分には乳酸菌が定着すると言われています。

かき混ぜずに、放っておくと、それぞれの場所で、それぞれの菌が増殖しすぎて

ぬか床が使い物にならなくなってしまうというのが、理由です。

このために、天地返しが有効だということです。

ぬか床でかき混ぜ不要のものはなぜなのか?

なぜ市販のぬか床でかき混ぜ不要のものがあるのかですが、

  • 塩分が高めに作ってある
  • 水分も少なめに作ってある
  • 冷蔵庫で保存するよう指示している

上記のような仕様で、ある程度混ぜずに野菜を漬け続けても、

過剰発酵しにくいように作ってあるのだと思います。

ぬか床は素手で混ぜるのがおすすめ

ぬか床は、素手で混ぜるのがおすすめです。

手についている常在菌が、発酵の助けになるとも言われています。

素手でかき混ぜても、不衛生だから問題である、ということはありません。

しかし、適度にぬか床をかき混ぜる手は清潔に保っておく必要があります。

素手以外の選択肢としては、しゃもじや、木ベラなどが考えられます。

ぬか床を混ぜる手に傷がついている時

手に傷がある場合は、手袋を使うのがいいでしょう。

食器を洗う時に使うような、分厚いゴム手袋は匂いが移るので、

やめた方がいいです。

以下のような、薄手で使い捨てのものが使いやすいでしょう。

ファミリー ポリエチレン 手袋 極うす手 フリーサイズ
created by Rinker

ぬか床を混ぜると手が痛い、かゆい、荒れるとき

手に傷がついてなくても、ぬか床を混ぜると、手が痛かったり、痒かったり、しみる時があります。

私の場合は、新しくぬか床を作る時です。

そうした時は、早めに手を洗います。

手が荒れる場合は、ぬか床が落ち着くまで待つ必要があるかもしれません。

ぬか床は違うぬか床を混ぜて大丈夫?

自分のぬか床と、違うぬか床を混ぜても大丈夫かということですが、大丈夫です。

床わけという言葉もあるくらいです。

市販のものは、パッケージのインストラクションに従いましょう。

ぬか床をかき混ぜないとどうなる

ぬか床をかき混ぜないと、まず表面の産膜酵母が、白から灰色になり、ドロドロになります。

ぬか床の内部まで、何かが染み込んでいき、ぬか床をダメにしていきます。

そして、ぬか床全体に嫌な匂いがついて、再起不能になります。

これは、私がぬか床を冷蔵庫で1ヶ月以上放置した時の体験談です。

ぬか床のかき混ぜ方のコツ

ぬか床のかき混ぜ方のコツです。

かき混ぜ方は、天地返しです。

表面と底を入れ替えるようにします。

中間の部分はあまり崩さないようにします。

基本的には、1日1回は混ぜる、と考えておくことです。

発酵を促すために、かき混ぜをせずに過ごすことも可能です。

  • 野菜を漬け続けた後にぬか床を休める場合
  • 足しぬかした後に発酵を促す場合

1日1回程度を目安に、かき混ぜていくといいです。

正しいかき混ぜ方をを守らないと、ぬか漬けを食べて下痢しますよ。

また、人と会う用事などがあって、

ぬか床を混ぜた後の手の匂いを消したい場合は重曹がおすすめです。